冬の気配がいよいよ濃くなり、朝の空気がひときわ冷たく感じられる季節になってきました。滋賀県・彦根に暮らしていると、この地域ならではの“冬の入り口”を毎年のように感じます。特に、先人から「冬場の天気は北の敦賀を見れば分かる」と教わった言葉は、いまでは自分の中で冬の指標のようになりつつあります。福井県敦賀市は琵琶湖の北部と近く、北西から吹き込む冬の季節風を最初に受け止める土地。そこで雪が降り続けば、やがて滋賀にも同じ空気が流れ込んでくる――まるで“冬の予報”のように感じられるのです。
実際、敦賀で雪が舞い始めたというニュースを耳にすると、滋賀県民としては「そろそろか」と身構えるものです。しかし、その一方で季節の初めの雪だけはどこか現実味が薄く、「まだ積もらないだろう」「今シーズンは遅いんじゃないか」と思いたくなるのも、地元民に共通する感覚かもしれません。空気が冷え込んでくるのを感じていても、どこかで「まだ大丈夫だろう」と願ってしまう。その心情は、冬の厳しさをよく知る地域だからこそ生まれるものなのかもしれません。
しかし、季節は確実に進んでいきます。仕事のためにトラックへ乗り込む時、横殴りに吹きつける雪が顔を打つ瞬間――その冷たさが、「ああ、冬が来たな」と否応なしに現実へ引き戻してくれます。特に荷台で荷締めを行う時、指先に走るあの痛みは、寒さの厳しさを誰よりも真っ先に感じるドライバーならではのもの。手袋越しでも指が思うように動かず、縄を締めるたびに悴んだ手が痛む。そうした小さな積み重ねが、この季節特有の“痺れ”の始まりです。
北陸方面を走る仕事が続くと、その体感はさらに増します。高速道路の風景は一気に冬色へと変わり、道路脇に積もった雪や除雪の跡を見かけるだけで、これから何度も冬の壁を越えていく覚悟が必要だと感じさせられます。雪が降れば視界は悪くなり、路面は滑りやすく、自然と運転も神経を使うものになります。それでも荷物は運ばなければならず、生活を支える物流は止まるわけにはいきません。だからこそ、冬場を走るドライバーたちは、普段以上に強い責任感と注意力を持ちながら日々の業務に向き合っています。
そんな過酷な環境の中でも、「今日も無事に走れた」という感覚が、ひときわ大きな達成感を与えてくれます。そして、同じ道を走る仲間と交わす少しの会話や、「気をつけてな」というひと言が、冬を乗り越える大きな支えにもなるのです。厳しい季節だからこそ、仲間同士の気遣いや連帯感がより強く感じられる――それもまた、冬の仕事の中で得られる大切な瞬間だと言えるでしょう。
冬は始まったばかり。これからしばらく、痺れるような寒さとの戦いが続きます。それでも、日々の仕事を積み重ねていくことで、また春がやってきます。どうか体調には気をつけて、安全第一で。明日もまた、無事に走りきれる一日となりますように。



コメント